セルブームも去り、アダルトビデオ業界は現在低迷の一途を辿っています。

黄金時代は去った

アダルトビデオを撮影するカメラ

 

日本はアダルトビデオの先進国と言われてきました。毎週のように100種類を越えるほどの新作がリリースされ、特にジャンルの幅広さは世界随一と言っても過言ではありません。

 

「よくこんなの思いついたなぁ」「誰がこれで抜くのだろうか…」と思わせられてしまうほど実にバラエティ豊かで、どんな趣向・性癖の男性をも楽しませる万人のものとなりました。

 

日本のAVのクオリティの高さは、海の向こうの男性たちも虜にし、海外にも輸出されています。

 

AVの販売店は5,000店に登るとも言われ、今やエロビデオは立派な一大産業。
「日活ロマンポルノ」などに始まったAV創生期からは考えられないほどに大きく成長したのです。

 

・・・と言うのは、「ソフト・オン・デマンド」や「桃太郎映像出版」などのAVメーカーが飛躍し、一大セルビデオブームが巻き起こった1990年代後半から2000年代初頭の黄金時代のお話。

 

「エロは不況に強い」と言われ、一度地盤が形成されてしまえば手堅いビジネスともされてきましたが、
実際には不況と逆風の影響をもろに受けることとなり、エロ業界は現在衰退の一途をたどっています。

 

これは風俗・ゲーム・本等あらゆる種類のエロ産業に言えることですが、中でもあれほどのムーブメントを巻き起こしたアダルトビデオ業界の低迷は目に見張るものがあります。

 

当サイト【夢流想倶楽部】では、そんなアダルトビデオの衰退と今後の将来性についてを専門的に考えるサイトです。

 

完全な行き詰まり

 

現在、AV業界は完全に行き詰まっています。それは読者の皆さんも分かりすぎるくらいに肌に感じていることでしょう。

 

VRAVを見るためにゴーグルを装着する女性

 

撮影機材や視聴環境は発達し、かつてと比べると画質は飛躍的に向上しました。
人気女優が出演している作品ではBlu-ray版もリリースされています。
また、最近ではゴーグル装着により実体験に近い映像を鑑賞できる新技術を用いた「VRAV」も普及してきました。
AV黄金時代と言われていた頃とは比較にならないほど映像技術が進化し、高画質AVが当たり前となったのです。

 

しかし、作品のクオリティもそれに比例して向上したと感じられますか?

 

多くの男性が「NO」と答えるのではないでしょうか。

 

同じような企画、同じような内容の作品ばかり。若干キャストが違うだけで、台本すらも同じなのか?と思ってしまうシリーズ作品が溢れています。

 

しのぎを削っていた時代

 

インディーズブーム~セルビデオブームが起こっていた時代は、メーカー各社の競争が激化していました。
AV1本作るにしても、企画・脚本、コピーライティング、監督の手腕、スタッフの熱意、AV女優のプライド…、全てを総力して制作していました。
限りのある撮影技術を駆使し、独自性やアイデアが満ち溢れていたのです。

 

人気シリーズ物は当時からいくつもありましたが、今のように焼き増し感はありませんでしたよね?
しのぎを削っていた時代、アダルトビデオのクオリティは高まる一方だったのです。

 

 

自然とバブルは弾けた

 

かつてはいたるところで目にしたAVの販売店。店頭で各メーカーののぼり旗が風になびいていた光景が思い出されます。
しかし、気がつくと最近全然見なくなりましたよね。それどころか、大手レンタルビデオショップも次々と閉店している現状。AVに限らず、人々はビデオ(DVD)を「買い」も「借り」しなくなったのです。

 

バブルが弾けて頭を抱えるAV業界人

 

なぜでしょうか?まぁ、考えるまでもありませんね…。その大きな理由のひとつが「インターネットの普及」です。

 

今や、ネット環境があれば「Netflix」や「アマゾンプライム」などを利用して、手軽に映画やドラマを楽しむことができる時代です。お金を払って買う必要もなければ(それでもだいぶ安くなりましたが…)払って借りる・返す手間もかかりません。

 

さてアダルトビデオではどうでしょう?

 

AV業界でも動画配信サービスが行われています。
しかし、Netflixやアマゾンプライムのようなメジャーな存在ではありませんし、それまでのセル・レンタルAVユーザー層が配信サービスへと移行したのか?と言えばそうではないのが現状です。

 

クオリティーの下がったアダルトビデオに見切りをつけたというユーザーも当然多くいるのですが、特に問題視されているのが、インターネット上の違法アップロードAVの存在です。
違法ですのでいつ一掃されてもおかしくないのですが、もうそれどころではないほど「エロ動画はネットでタダで見るもの・入手するもの」といった悪しき常識が根付いてしまっているのです。

 

勿論、犯罪行為ですので許されることではありません。

 

しかし、そもそもグレーな立場でもある商品。違法ダウンロードしている人の中にも「AVならOKでしょ」と言う感覚が少なからずあるのかもしれません。
また、作品自体のクオリティが高く、価値があるのであれば、ユーザーはお金を払って購入することでしょう。
しかし多くの人はアダルトビデオについて「お金を払うまでの価値はない」と判断しているのです。

 

そして、インターネットのビデオ通話技術をフル活用して誕生した、「ライブチャット」の台頭も、AV衰退の影響の1つとして挙げられるでしょう。

 

特にアダルト系のライブチャットであれば、実際に女性と生のコミュニケーションをとりながら、リアルタイムでオナニーやバーチャルセックスを自宅で堪能できてしまうので、
ただ画面上で女優と男優による性行為を観るアダルトビデオよりも当然リアルですし、女の子と会話できるという楽しみもあります。

 

AVメーカーや販売会社もライブチャットの人気に追従する形となり、いくつかのメーカーがライブチャットサービスに参入しています。

 

今ではチャンネルも増え、ジャンルや独自機能も細分化してきたため、選ぶのも簡単ではなくなってきましたが、ライブチャットを比較できるサイトも開設され、特徴や料金、レビューなどをまとめて比べることができるとして、ユーザーに重宝されています。

 

 

全てが悪循環に

 

アダルトビデオ業界の衰退に悩む女性

 

現在のアダルトビデオ業界は、おもに「ソフト・オン・デマンド」「DMMグループ(FANZA)」「プレステージ」の3社だけによる寡占状態と言える状況です。

 

かつてのような競争などありません。それどころかコラボが行われたり、各社間での女優の移籍もよく目にします。
競争がないので、総力戦で作品を作る必要もありません。制作予算・コストも下がりました。売れないのですから仕方ありません。

 

従事する人間の収入も減っていきます。合理化で規模も縮小されていくのですが、AVのリリース量はそこまで大幅に落ち込んだわけではありません(今でも新作は続々と発売されています)。
するとどうなるかと言えば、女優・男優、監督、制作スタッフ、営業スタッフなどアダルトビデオ制作・販売に関係する人たちの労働量が増えていきます。しかし収入は減っていく傾向という全てが悪循環な状況…。

 

これでは、クオリティが下がり、客離れを起こしてしまうのは当然の結果だったのかもしれません。

 

 

何が原因で、何が悪か?その回答を出すのは難しいのかもしれません。
もちろん、違法アップロード・ダウンロードを行っている人は間違いなく「悪」です。
しかしその根源を生んだ一因は作り手側にもあるように感じてしまう部分もあります。

 

「時代の流れ」そう言ってしまうのが簡単なのかもしれませんが、もう少しじっくりとアダルトビデオの今と未来について考えていきたいと思います。

 

セルビデオ価格崩壊の代償

 

 

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